ミニチュア ドールハウスが集合

細かいパーツが一つの作品に見事に作られています。見ているだけでも楽しくなるのがミニチュア ドールハウスです。ここまで丁寧に作られているとミニチュアアートと呼んだ方がいいと思えます。どうぞごゆっくりご覧ください。







●file192 「ドールハウス」NHK美の壺12月3日放送
ミニチュアの家や家具などを総称したものを『ドールハウス』といいます。
子供のおもちゃ…と思いきや、こちらのドールハウスは、本物そっくりのミニチュアできています。戸棚に並んだ食器。オーブンの煙突は、使いこまれてさびが浮いています。少し前まで人がいた気配まで感じます。
精巧に作られた小さな世界、これもドールハウスなのです。

*コレクターの新美康明さんです。
新美 「子供のおもちゃとも言えますが、大人の美術工芸品とも言えます。それだけいろんな方がいろんなスタンスで楽しめる余地、多彩さ多様さがあるのではないかと思います。」

かつてドールハウスは貴族のものでした。こちらは18世紀から伝わる作品です。
当時、貴族たちは、家に伝わる家具のミニチュアを作り、精巧さを競い合いました。それらを飾る棚がドールハウスになったと言われています。
その後、子供のおもちゃとして大量生産された一方、精巧さを追求したドールハウスが発展していきます。それらは、遊び心あふれるアートとして多くの大人の心をとらえてきました。
今回は現実そっくりの小さな世界、その不思議な魅力に迫ります。

*壱のツボ 12分の1に込めた技
ミニチュアの多くは実物の12分の1のサイズです。それはイギリスの長さの単位が12進法だから。12分の1にすると1フィートのものを1インチで表現することになります。
作り手が計算しやすい比率です。

この12分の1というサイズには他にも理由があると、ドールハウス作家・木村浩之さんは語ります。

木村「詳細まで作りこめる限界と言いますか、ミニチュアとしてのほどよい大きさでありながら、限界まで作りこみができる一番いいサイズなのです」

細かな作りこみができるギリギリの大きさ、12分の1。作り手たちはそこに、技の限りを尽くしてきたのです。